8/05/2015

頭のなかで





世の中には 守らなければならない法律やルールがある

みな慎重になるあまり さらに独自の枠を重ねている




そうした枠や制限が増えれば増えるほど

創造性はすりへっていき 新たなアイデアもなくなる




創造性とはルールを破ること  ともいえる

ただし 破っても意味のないものもある




ラスベガスのある大きなカジノでのこと

ディーラーが ルーレット台に球を1コ投げ入れた

しばらく回転したあと 球は7番で止まった

すると 台の横にいた男が「  ノー!  」とがっかりした声を上げ

ディーラーに10ドルを渡した

台で賭けていた客人ではなかったため

ディーラーは なぜ10ドルよこすのか と尋ねた




 すると男は 

「  頭の中で19番に10ドル賭けていたけれど 負けたから  」

と応えた

ディーラーはため息をつき 黙ってその10ドルを受け取った

その後も同じことがくり返された

男は毎回 頭の中で賭けをしては「  負けた!  」といって

ディーラーに10ドルを渡した




ところが 球が17番で止まったとき

男は突然 大きな歓声を上げた


「  やったー! 1万ドルだ! 17番に賭けてたんだ!!!  」 




ディーラーはもちろんジョークだと思っていた

ところが 男は大の大真面目

なんと そのカジノを訴えてしまった




男は法廷で主張した

「  負けたときは 頭の中での賭けを認めて

   金を受け取ったのだから 

   勝ったときも認めるべきだ!  」 




意外なことに 裁判長は 原告側の主張を認める判決を下した

しかし 判決には重要な追加項目があった




【  頭の中で行われた賭けを容認したカジノは 

   頭の中で 原告が得た儲けも支払う義務がある

   ただしそれは 頭の中の小切手で支払うものとする  】



暗黙の掟を破ってもあまり問題はない という教訓だ