2/26/2009

共感覚 Synesthesia





「共感覚」ということばがある。


「音楽に味や色を感じることができる人」 または 「風景ににおいや音楽を感じることができる人」。



「共感覚」というのはドイツ語で Synästhesie (英語:Synesthesia )、つまり Syn=「一緒」と aisthesie =「感覚」からなる複合語で、通常の感覚だけではなく、違った種類の感覚をも共に感知する神経生物学的現象。


具体的には音に色を感じたり、数字や文字に色を感じることで、共感覚を持つ人はドイツではおよそ500人に1人。
特に画家、詩人、作家などの芸術家に多いらしい。しかし、データはどうやって???


「共感を覚える」ではなく「感覚が共になる」という意味。また「共感覚」という言葉は日本ではすでに定着しているようだ。


作曲家のリストにはオーケストラのリハーサルで「そんなにピンクではなく、もうちょっと青く」と要求したという逸話が残っている。また、画家のカンディンスキーは「色彩の響き」を発展させて絵画の「色彩シンフォニー」を作成し、自作に「コンチェルト」とか「フーガ」と名づけている。一般人に比して、芸術家には共感覚を持つ人が7倍多いという。


実は、書きながら昔のことを思い出した。
こども達にアートを教えていた時、よくイメージトレーニングを行なっていたのだが、いろ・かたちをランダムに描いたカードをフラッシュさせて思い出すというトレーニング。キャッキャッと笑いころげてみんなで楽しんだ。
また、アルファー波の出る音楽をかけて、目を閉じ、風景やいろをイメージして作品を描くトレーニング。個人差はあるが、凄腕のこども達の五感力に毎回驚かされた。--穏やかな朝、朝日を浴びた窓辺の向こうに馬が戯れていたり.....色と線だけで描いたポップアート調のものもあった。--五感創造教育の一環だった。
カリキュラムはすべて手作りで、だれでも創ることができる。これを作ったきっかけは、実は自分のためでもあった。
一匹狼で制作していると、空間が固まってくる時がある。(これ以上の表現ができない)単なる気分転換ではなく、感覚を緩めて解放するトレーニングを探していたら、このように手作りとなったわけだ。どうせやるなら、おもしろおかしいものがよいと。プッとふきだしながらでも真剣に応えて、まっすぐに進んでいたこどもたち。
忘れることができない、大事なたからものである。


一方、数字や文字にまで色を感じる人もいる。
例えば、デジタル数字の2と5がランダムにばらまかれている図があり、一見してどこに2があるのかわからない。ところが共感覚者はたとえば2は赤、5は緑と、数字に色をみるので即時に2を判別し、しかも2が三角形を構成していることまで見抜くという。


文字についてはフランスの詩人、ランボーが「母音」という詩を書き、第一行目でA=黒、E=白、I=赤、U=緑、O=青と決めつけているが、随分突飛な話で、すべての共感覚者がこの母音と色の関連に共鳴するわけではないだろう。
言いかえればどの共感覚者も自分なりの母音と色の関連をもっているということだ。



Shin...2009・久しぶりの投稿。
昨年、ある専門家から聴覚・触覚がともに敏感といわれた。いつも手を使っているからか???
今後ともよろしく。