1/14/2008

むかしむかしの美術作品





 「 なぜ、むかしの美術作品にはハダカの作品が多いのか?... 」

以前 ある先生から質問を受けたことがある
勿論 原語での説明は散々だったが 
あえて内容をご紹介しよう




■”真実” 語源説

ギリシャ語で「真理」や「真実」を表すことばを「アレーティア」というが
これは「忘却」など表すことばに反対の意味を表す接頭語をつけたもの
つまり、ギリシャでは真実とは「隠されていないもの」という意味を持っていて
衣や装飾で肉体を隠さないことが絵画などでも推奨されていたと考えられている




■心身均衡説

キリスト教やイスラム、あるいは仏教でもそうだが
一般に世界の宗教は、”肉体” よりも ”霊魂” を重視する傾向がある

ところが、ギリシャでは「精神」と「身体」のバランスが重視され
心の強さや美しさを競い合うだけでなく
身体の強さや美しさを競い合う習慣が存在した
たとえば、オリンピックもその考え方を受け継いでいる

古代オリンピックでは、衣服をつけず
肉体の強さ、美しさを誇示していたようだ




■”あれはハダカではない” 説

英語には naked と nude ということばがあるが
ギリシャの彫刻や絵画に描かれる「ヌード」は
何も着ていない「ネイキッド」ではなく
特別な方式で描かれたものだから 
とくに恥ずかしいものでもなかったという説もある

それは西洋の伝統の中だけの話で
その外にいる私たちには十分恥ずかしいヌードだとは思うが
たとえばヨーロッパの街角で噴水などにヌード彫刻があっても
「いやらしい」と感じないのは、そういうことのようだ




何事もそうだが、文化的伝統についての説明は
単純なひとつの原因に帰することはできない
様々な要因が重なり合って生まれたものだと考えるのが適切だろう