4/27/2010

Friendship  友情




ある友人と友情について議論をしていたら
ふとこの詩が浮かんだので
引用してみようと思った。



人間とは、面白くもあり、不可思議な生き物。
人間関係を長い眼で見て健全に、愉しく築いていくには
やはり自分の中の border  をはずし
ほどよい愛を与えていけばいいのだろう。



バランスが大事ですね。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++



友情について。



 


君の友人は君の需(もと)めへの応え。
かれは畑。
君はそこに愛をもって種まき、感謝をもって刈り取る。
彼はまた食卓。 君の暖炉。
君は飢えてかれのもとに行き、平和を求めてかれを探すのです。



友がその考えを語るとき、恐れるな、君自身の心のなかの「否(いな)」を。
そして、またおさえるな、「然(しか)り」を。
また、友が黙するとき、君の心は止めてはいけない。かれの心に耳を傾けることを。


なぜなら友情にあっては、言葉なしに、すべての思い、すべての望み、すべての期待が生まれて、分かち合われるのです。
それも喝采を必要としない喜びのうちに。
君が友から離れるとき、歎いてはならない。
なぜなら、君がかれのなかで一番愛しているものは、かれのいないときにこそ明らかになるのだから。
山は、それを目指す者には、平野からこそ明らかに見えるもの。
そして友情には、精神を深めることの他にはどんな目的もあらしめるな。
なぜなら自らの神秘を顕わにする以外のことを求める愛は、愛ではなくて、投げ込まれる網にすぎない。




そして君の最良のものが友のためであるように。
もしかれが君の引き綱を知らねばならぬなら、君の満ち潮も知らせてやるように。
なぜなら、時間をつぶすための友を求めるなら、いったい友とは何だろうか。
時間を生かすための友をこそ常に求めなさい。
なぜなら、友とは君の需めを満たすもの。君の空虚を満たすためのものではない。
そして友情の甘美さのうちに笑いがあるように。そしてまた楽しみの分かち合いも。
なぜなら、小さな事柄の一滴のうちにも、心は自分の朝を見つけてさわやかになるのだから。





Kahlil Gibran  " The Prophet "  
カリル・ギブラン『預言者』